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「クリスマスのフロスト」

クリスマスのフロスト (創元推理文庫)クリスマスのフロスト (創元推理文庫)
(1994/09)
R.D ウィングフィールド

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「私には、あのまま素通りすることだってできた。あの女性が投資しようとどうしようと、知らん顔を決め込むことだってできたんだ」
「しかしあなたにはできなかった」とフロストは言った。「そんなことの出来る人間じゃないんですよ、あなたは。このおれとよく似てる。われわれみたいな人間は、ただしいことをやって、その見返りに面倒を背負いこんでしまいます。ところで、煙草をお持ちじゃないですかな? 持っていたら、一本恵んでほしんだが……」

「そういえば、友人ち賭けをして痰壷の中身を飲んだ男の話は聞かせたかな?」
「ああ聞いた――なんとも悦ばしい話題だな。飯どきだっていうのに」


 Poopenさんの「ぽっぺん日記」で紹介されていた一冊。
 ミステリーに手をだすきっかけが欲しいな~(きっかけがないと出来ない意思薄弱さorz)と思っていたところに、面白そうな書評を見つけたので、思わず密林でぽちっと。数日で読了。

 イギリスのデントン警察に勤めるフロスト警部は、下品で、女好きで、いいいかげんで、書類仕事が大嫌いで、口が悪く、ドジで、でたらめで、結果オーライで、しかも極度の仕事中毒者のカッコわるいおやじ。しかし人情に厚く、正義感が強く、仲間からも慕われている。そんな彼のもとに、ロンドン出身の若い新米エリートが来たとたん、数々の事件が発生する……。同僚が病気となり、事件解決の責任者となってしまったフロストの運命やいかに?

 とうわけで読了。ミステリと正面から銘打った作品は初めて読んだのですが、これは面白かった!
 この作品の魅力は、ともかくフロストの言動に尽きるでしょう。だらしなくて冴えないオヤジなんだけれども、良いところも悪いところも両方あって、それがたまらん魅力となっています。ホント口悪いし(笑)。しかし、そのフロストが事件解決のために駈けずりまわるのが面白い。推理もへったくれもあんまりないんですが、そんなところもまたイイ。
 最初はコロンボみたいなキャラかな? と思いましたが、フロストはコロンボほど頭よくないし、わざとスキを見せて相手の隙を誘ったりもせず、とにかくできることを自分の流儀で出来る限りやっていくのがいいですね。

 あと、フロストの周囲の人間関係も、ありがちですが秀逸。新米のエリート、昇級のことしか考えていない俗物な上司、理解ある仲間たち。フロストが活躍するために配置されたとしかいえない絶妙なキャラクターばかり。いいなぁ。

 あと、本作は、いくつもの事件が、時間差攻撃のようにほぼ同時に発生し、それを刑事が追いかけてくる「モジュラー型警察小説」という「かたち」ですが、読んだあとに「こういうものか~」と思って納得してみたり。仮想戦記だと、同時にいろんな曲面で戦いが進むのはよくある展開ですが、それを一人が追いかけるってのはなかなかないですね(「覇者の戦塵」シリーズの蓮見大佐……は違うか)。最後まで真犯人がわからず、何かどうつながるかも最後までわからなかったのですが、別段気にすることなく楽しめました。

 というわけで、次の「フロスト日和」も密林でポチっと(近所の本屋になかった)。
 イギリスでは、TVドラマ化されているみたいですね。

「新しい朝 1」 

あたらしい朝 1 (1) (アフタヌーンKC)あたらしい朝 1 (1) (アフタヌーンKC)
(2008/08/22)
黒田 硫黄

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「俺たちは愛でつながっている……家族と! 恋人と! 故郷の人々と」
「だからこそ耐えられる! 長い航海に、苦しい訓練に、激しい戦いに」
「違うか? おかしいか?」

「俺を好いてくれるから金まで送ってくれる」
「断れます? うれしいですよ! 愛の証ですよ!」
「だって愛されている証をどうやって得る? 愛の証拠はいらないの?」
「愛の……証拠は……」
                          ――第4話「南の星」より


 1930年代のドイツ。町の安いチンピラをやっていた少年マックスは、夜の町で札束の入ったカバンを見つける。それがユダヤ人から奪った「ヤバイ金」であることを知ったマックスはそれを幼馴染の少女ベルタに託し、自分はドイツ海軍に志願することを決める。自分とベルタと「ヤバイ金」を守り、戦後を大金持ちとして過ごす夢を思い描きながら……。
 が、しかし、二年後にマックスが配属されたのは、ドイツ海軍の仮装巡洋艦トールだった!


 普段ならば見過ごしそうな本でしたが、特徴的な絵柄に惹かれて裏表紙を見てみると、なんと「ドイツ海軍」「仮装巡洋艦」の二文字が! (購入して)お持ち帰り確定。予想通りあたりでございました。
 一巻は横浜に寄港したトールがアレしちゃうまでのお話ですが、仮装巡洋艦モノの醍醐味が目一杯、なおかつ小気味よく盛り込まれており大変面白かったです。
 しかも根底に流れるテーマが「金と愛」なんだらなんともはや。主人公の戦友に13人もの女から小切手を送ってもらって「結婚詐欺師め!」とののしられる人間がいるのですが、「金イコール愛だからです」と断言するのがカッコイイ。誰だったか、「お金がなくても愛はあるけど、お金があれば愛は豊かになる」とかいったのは(うろ覚え)。大金を幼馴染(パン屋の娘なんでメイドの格好!)に託し、彼女との平和な生活を夢見る主人公にその言葉が響くわけです。次巻以降、このテーゼは否定されそうな気がしますが(ぉ

 あとがきにはドイツ仮装巡洋艦を知ることになったネタ本のいくつかが紹介されていて妙に親近感沸いたり。「海の狩人アトランティス」とか「インド洋の常陸丸」とかこのご時世によく見つけたなぁ。「軍艦メカ開発物語」もあるし。

冬コミ申し込みました

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 冬コミの申し込みを完了しました。
「近衛衆兵鉄虎第501大隊」。今度はミリタリーではなく、リリカルなのはでいってみようかと。
 サークルカットはEXCELさんにお願いしました。ありがとうございます。

 今までミリタリー島から出たことなかったので、どうなることやら……。
 次回は多分、なのはの話になるとおもいます。
「僕らのウォーゲーム!」は大好きですが「ディアボロモンの逆襲」は見ていません(謎

「戦争は女の顔をしていない」

戦争は女の顔をしていない戦争は女の顔をしていない
(2008/07)
スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ

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「フリーランチの時代」 小川一水 早川書房

「フリーランチの時代」 
フリーランチの時代 (ハヤカワ文庫 JA オ 6-8)フリーランチの時代 (ハヤカワ文庫 JA オ 6-8)
(2008/07)
小川 一水

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小川一水 早川書房


「生きる?それとも死ぬ?」
「・・・生きたい」
「いいえ、希望を訊いているんじゃないの。゛選ぶの゛。生きる?死ぬ?」
「生きる」
「フリーランチの時代」より抜粋


「第六大陸」「復活の地」の小川一水の短編集。

小川一水は「復活の地」一巻しかよんでいなかったのですが、期待どおり楽しめました。

火星でのあっさりしすぎで驚愕で果ては人類全体を巻込むファーストコンタクトを描く表題作「フリーランチの時代 」。

大事故にあい、借りの身体と自分の身体という二人の「自分」を手に入れてしまった少女の物語「LIVE ME ME」。

宇宙のひきこもり個人運送業者のお話「SLOWLIFE IN STARSHIP」


貧富の差を解消できないままいつのまにか不老不死を手に入れてしまった人類の行方を追った「千歳の坂も」


「時砂の王」のスピンオフ「アルワラの潮の音」

全般的なテーマは明確です。「如何に生きるか」。いずれの物語も、主人公たちがその選択に悩んだり、決心したりします。

テーマが明快でなおかつ文体が平易なおかげでするするっと読めました。短編集はもう一冊あるみたいなので探してみようかと。

個人的には二作目が気に入りました。そういうオチか!
女って強いねぇ。

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